南会津 館の腰山(962m)、鍵金山(1042.1m) 2013年3月24日

所要時間 5:42 トンネル東口−−6:28 1022m峰−−6:54 館の腰山 7:00−−7:32 1022m峰−−7:55 鍵金山 8:00−−8:20 1022m峰−−8:42 トンネル東口

場所福島県大沼郡昭和村
年月日2013年3月24日 残雪期日帰り
天候雪時々曇り
山行種類残雪期の藪山
交通手段マイカー
駐車場トンネル東口横
登山道の有無たぶん無し
籔の有無残雪期は無し。無雪期はたぶん薄い藪
危険個所の有無1個所だけ痩せ尾根あるが危険というほどではない
山頂の展望館の腰山:ブナ林を通してちょっとだけあり
鍵金山:山頂南側で展望良好
コメント喰丸トンネル東口より1022m経由で2山を往復。途中で見られた雪が切れた尾根の植生からして無雪期の籔はさほど濃くない可能性が大。ブナ林が続いて残雪期は気持ちのいい尾根歩きが楽しめる。2山とも山頂標識、目印とも無し。鍵金山は少し南に下れば大展望が楽しめる 




トンネル近くの駐車スペース 喰丸トンネル東口
トンネル南側の谷を行く 右手の小尾根に取り付く
無雪期でも籔は無いらしい 急斜面では雪が消えている
傾斜が緩むと一面の残雪 今年初めてのマンサクの花
大きなブナがきれいに並ぶ 灌木藪がある個所も
1022m峰手前。籔は薄い 1022m峰。ここから2山を往復
まずは西に向かう カモシカの足跡
標高980mから急な下りになると雪が消える 940m峰へ登る
940m峰を越えるとまた雪が減る ブナが続く
短いが1か所だけ急な痩せ尾根あり 痩せ尾根を抜けるとまた広い尾根に
最後の登り 館の腰山山頂。目印無し
館の腰山付近から見た鍵金山。山頂部はガスの中 1022m峰西側から見た鍵金山
1022m峰から鍵金山に向かう ここも地面が出た場所があるが籔は薄い
鍵金山への登り。それなりに急 傾斜が緩むと山頂は間近
予想外の先人の足跡 鍵金山山頂
トレースは南に続いていた
鍵金山南側から見た展望(クリックで拡大)
鍵金山付近から見た1022m峰 こちらは雲が取れた博士山
デポしたワカンンを回収 昨日登った御前ヶ岳
飯豊も見えた
新潟県境。まだ真っ白
守門岳も見えた。烏帽子山も登りたい山だ
トンネル向けて下る 往路の尾根とはちょっとずれた
尾根終了 駐車余地到着


 昭和村中心地東側の国道400号線喰丸トンネルが通過する稜線につながる山域に館の腰山と鍵金山がある。標高は1000m程度でトンネル出口の標高は約800mなので大した標高差ではなく、2つの山を登っても3時間程度と予想された。この日はできるだけ早く東京に戻りたいこともあって適度な所要時間。もう少し標高が高い山の方が無雪期は藪の可能性が高く残雪期に登る意味が濃くなるが、残念ながらこの近辺でそのような山は短時間で登るのは難しい。2日目なので贅沢は言えない。トンネルの東側/西側のどちらから登るのがいいのかは駐車場所が確保できるかによるので、現場に行って判断することにする。

 道幅が広い国道はきちんと除雪され、凍結もなく安心して走行できる。トンネル西側付近は路側以外は駐車不能で東に抜けて様子を見ると出口から50mくらい先の道路左側に車2,3台駐車可能な駐車スペースを発見。ここがよろしかろう。トンネル出口付近の両側は雪壁になっているが、南側は除雪で雪を押し出した形跡があり、傾斜が緩くなっていて乗り越えられそうだ。本日の装備はワカンに12本爪アイゼン、ピッケルだ。

 トンネル入口から左に逸れて、雪に覆われた広い谷地形を遡上する。谷の一部は雪が割れて流れが出ていたので、無雪期は渡れないかもしれない。今は1,2mの雪の下だ。緩い谷を上がって小尾根に取りつく。これを詰めれば1022m峰に辿りつく。北斜面なので雪はたっぷり、雪質は締まってワカンも不要な程度だ。

 下部のトンネル付近のみ植林だが谷沿いは最初から自然林。すぐにブナ混じりの自然林に変わり、以降、ずっとブナ林が続く。地形図を見て分かるように標高900m付近の等高線が込み合って急傾斜が予想されるが、それ以外は穏やかな尾根のようだ。事実、出だしは緩やか、900m付近で傾斜がきつくなって地面が見えるようになるがアイゼンを出すほどではなく、雪が無いところを選んで登っていく。この付近の藪は大したことはなく、無雪期でも問題ないレベルだ。

 標高900mに達して傾斜が緩むと大きなブナが目立つようになり、雪もたっぷりと残って残雪期にふさわしい光景となる。目印等は一切なし、もし無雪期に登るとしたらトンネル真上の稜線を通るからであろうか。雪の上にはカモシカの他に小動物の足跡。新雪の上に付いているので真新しい。

 1010m峰を越えて僅かに下って1022m峰へ登る。稜線東は雪庇が発達しているが、まだ残雪期初期だというのにあちこちにクラックが入って危険個所があり、雪が消えた稜線直上を織り交ぜながら進んでいく。この標高でこの藪なら無雪期でも十分可能性はありそうだが、今雪が無い区間はいいとして問題は今雪の下の場所。経験的には雪庇を除いて雪が遅くまで残る場所の方が藪が深いことが多く、雪の上を楽チンに歩ける場所こそが無雪期のネックになる可能性がある。

 1022峰ピークは雪に覆われた狭い場所だった。まずは距離と標高差のある館の腰山へと向かう。西に分岐する尾根に乗り、すぐに左に分岐する尾根に乗り換える。この尾根は西向きなので雪が消えた部分が多いが、今まで同様に藪は薄かった。思ったよりも傾斜がきつい場所もあったが雪が無い場所を歩いてクリア。

 940m峰を越えて鞍部に下り、山頂に向けて最後の登り。1か所、尾根が痩せて急な部分があるが、雪が落ちており危険は無かった。雪に半分埋まり枝が雪面に突き出して邪魔をする灌木を抜けるとなだらかな尾根に出ると同時にやっと雲が切れて朝日が射す。ブナ林がきれいだ。

 広い尾根を登りきると館の腰山山頂。雪に覆われて目印も山頂標識も皆無。手近なブナにテープを巻いて落書きを残す。落葉した樹林に覆われているので展望はあまり良くないが皆無ではない。ただ、標高が高いところは雲に隠れていて展望は良くない。鍵金山山頂部も雲の中。でも天候は急速に回復しているようだから、あそこに立つ頃にはガスが上がってくれるかな。

 往路を戻り1022mに立ち、次は鍵金山。地形図をみるとこちらは山頂直下までは緩やかな稜線が続き、最後に一気に突きあげるようだ。アイゼン無しでクリアできるかな(装着が面倒)。この先、どう考えてもワカンの出番があるとは思えずピークでデポ。少しだけ軽くなった。

 南へ続く稜線はほぼずっと雪に覆われ、東側には雪庇が付いているが、クラックが入った個所もあり、割れ始めたばかりの場所では割れ目が雪に隠れて見えず、足を置いたらズボっと潜った個所も。腰まで落ちるようなことはなかったのでよかったが、気を抜くと全身が雪の中ってこともあるので要注意。危なそうな個所は稜線上を辿るが、稜線直上は雪が薄く灌木が少しあることもあって、雪庇の上の方が歩きやすかった。でも灌木は濃くなく、無雪期でも問題ないレベルだった。

 最低鞍部から山頂へは一気に高度を上げる。地形図の等高線間隔からして昨日の舟鼻山肩の登りよりきついかと思ったらそんなことはなく、ピッケルさえあればアイゼン無しで登れそうだった。雪はクラストしているが凍っているわけではなく、摩擦が効いて靴のエッジで雪面をしっかり捉えることができた。

 傾斜が緩むと山頂は近い。肩の部分だけ薄い藪を通過し、再び雪に乗って平坦な山頂部へ。山頂のすぐ手前から突如として足跡出現。最初はカモシカの古い足跡だと思ったが、明瞭に形が残っている足跡もあり、それは間違いなく人の足跡の形だった。山頂を過ぎて南へ続いていて、私とは別ルートで登ってきたようだ。この残り方だとたぶん昨日のものだろう。

 鍵金山山頂も標識、目印無し。樹林であまり展望は良くないが、僅かに南に下った肩は樹木が無く、北側以外の展望は良好だ。北東側には雲が切れた博士山。南方には昨日登った御前ヶ岳が目立った形状のピークだ。何せ舟鼻山周辺はまっ平らに近いので、尖ったピークがあると目立つ。それより南は煙って見えなかった。

 これで本日の計画は達成。あとは無事に下山するのみ。往路と同じルートで1022m峰に戻ってデポしたワカンを回収、そのまま往路を辿る予定が途中で尾根を間違えて1本東の尾根に乗った。ただ、もう尾根末端近くなので平地に出た時の距離の差はほとんどなく、平坦地で往路の足跡に合流した。天気は快晴、時間があればこのまま別の山に行きたいところだが・・・・。車を走らせて南下すると徐々に雲が増え、塩原に入ると完全に曇ってしまった。

 

 

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